「了解です」と「承知しました」の違いとは?正しい使い分け方を徹底解説!

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メールや会話でよく使う「了解です」と「承知しました」。どちらも「わかりました」という意味ですが、使う場面や相手によってふさわしい言葉が変わることをご存じですか?ビジネスの場で間違えると、少し失礼に聞こえてしまうことも。この記事では、この2つの言葉の違いや、どんなときに使うのが正解なのかをやさしく解説します。


「了解です」はフランクで親しみやすい表現

「了解です」は、相手の言ったことを理解したときに使う言葉で、特に日常的な会話や職場内での軽いやり取りに使われることが多い表現です。フランクでカジュアルな印象を与えるため、話し言葉としては非常に使いやすく、柔らかいコミュニケーションを取るのに向いています。

たとえば、同僚や友人に「明日の会議は10時からです」と言われたとき、「了解です」と返すのはとても自然です。口調によっては「オッケーです」「わかりました」と同じような温かみがあり、相手との距離感を保ちながらも、軽快なやり取りができます。ビジネスの中でも同僚や後輩など、上下関係がそこまで厳しくない場面でよく使われます。

一方で、「了解」という言葉自体が本来「目下の者が上位の人からの指示を受ける」というよりも、「同等または上位の立場の人が承認する」ニュアンスを持っています。つまり、立場が上の人に対して使うと、「わかりました」よりも強く、命令口調に近い印象を与える可能性があるのです。そのため、上司や取引先などの目上の人に対して「了解です」と言うと、「軽い」「馴れ馴れしい」「上から目線」と受け取られることがあり、注意が必要です。

とはいえ、最近では若い世代を中心に「了解です」は社内チャットやメールなどでも使われることが増えており、完全にNGというわけではありません。親しみのある関係性の中で使えば、むしろ距離を縮める効果もあります。**ポイントは、相手との関係性と場の空気を読むこと。**カジュアルな場では柔らかい印象を、フォーマルな場では控える、という意識を持つだけで、言葉づかいにぐっと品が出ます。


「承知しました」は丁寧でフォーマルな表現

「承知しました」は、「理解してお受けいたしました」という意味を持つ、丁寧でフォーマルな表現です。ビジネスメールや接客、電話対応など、きちんとした場面で使われ、相手に対して敬意を示すニュアンスが強い言葉です。単に「わかりました」よりも一歩踏み込んで、「あなたの指示・お願いを尊重し、きちんと対応いたします」という意思を伝える丁寧な受け答えになります。

たとえば、上司や取引先から「明日までに資料を送ってください」と言われたときに、「承知しました」と返すのが正解です。この言葉には、指示を理解したうえで責任をもって遂行するという意味が含まれています。そのため、相手の指示を軽んじる印象がなく、ビジネスの場で非常に好印象を与えます。また、「承知しました」は、直接の会話だけでなく、メールやチャットなど書き言葉としても自然に使える表現です。

加えて、「承知いたしました」というより丁寧な形もあります。特に社外の相手や目上の方に対しては、この「いたしました」を加えることで、より敬意を強調できます。文面では「承知いたしました。ありがとうございます。」のように組み合わせると、相手への配慮がより伝わります。

また、「かしこまりました」との違いを迷う方も多いですが、「かしこまりました」はさらに丁寧で、接客業やお客様対応などで使われる場面が多い言葉です。**社内メールや上司への返答なら『承知しました』、お客様対応なら『かしこまりました』**と使い分けるとよいでしょう。状況に応じてこの二つを正しく使い分けることで、言葉遣いの印象がぐっと洗練されます。


「了解しました」はどうなの?

「了解しました」という表現もよく使われますが、ビジネスではやや注意が必要です。この言葉は「了解です」と同じく「理解しました」「わかりました」という意味を持ちますが、文語的で少し硬い印象があり、さらにやや命令的な響きを伴うことがあります。相手に対して「あなたの発言をこちらで了承した」というニュアンスになるため、特に目上の人に対して使うと不自然に感じられる場合があるのです。

もともと「了解」という言葉は軍隊用語に由来しており、上官が部下に対して「命令を理解したか」という意味で使っていた経緯があります。したがって、現代のビジネスシーンでも「了解しました」は“了承した”という上から目線の印象を与えることがあるのです。たとえば、上司に「この件、明日までに対応をお願いします」と言われて「了解しました」と答えると、敬意に欠ける印象を持たれることがあります。

一方で、同僚や部下とのやり取り、またはチーム内でのカジュアルな報告や確認の場面では自然に使うことができます。「メール確認しました。了解しました!」のように、テンポよくやり取りしたいときに適しています。特にチャットや短いメッセージでは、「承知しました」よりも軽く親しみのある雰囲気を出せる点がメリットです。

ただし、社外の取引先や顧客対応など、よりフォーマルな文脈では「承知しました」や「かしこまりました」を使うのが安全です。「了解しました」は便利な表現ではありますが、立場やシーンを選ばずに使うと、意図せず失礼な印象を与えてしまうことがあります。相手との関係性や場のトーンを見極めて使い分けることが大切です。


使い分けのポイントまとめ

シーン 適した表現 備考
同僚・友人との会話 了解です / 了解しました カジュアルで柔らかい印象。職場や友人同士など、リラックスした関係でのやり取りに最適。
上司や取引先とのやり取り 承知しました 丁寧でビジネス向き。信頼感を与え、責任をもって対応する意思を示せる。
お客様や外部対応 かしこまりました 最も丁寧でフォーマル。接客や顧客対応で好印象を与え、敬意をしっかり示せる。
目上の人へのメールや報告 承知いたしました より丁寧で格式の高い言い回し。書き言葉やフォーマルな文面に適している。
社内チャットや短い返信 了解です / OKです カジュアルながらも迅速な返答に向いており、親しみやすい印象を持たれる。
接客・サービス業での対応 かしこまりました / 承知いたしました お客様に安心感を与える表現で、マナーの良さを印象づけられる。

まとめ

「了解です」と「承知しました」は、どちらも「わかりました」という意味ですが、使う相手や状況によってふさわしい言葉が異なります。

ビジネスシーンでは、「承知しました」を基本に使い分けるのが安心です。親しい間柄では「了解です」、お客様対応では「かしこまりました」。この3つを上手に使い分けるだけで、印象がぐっと良くなります。

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